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チラチラした物が見える…閃輝暗点

視界に突然チラチラしたノコギリのような、ガラスの割れたような物が見えることがあります。初めて表れた時は眼球がおかしくなったとか、このまま見えなくなるんじゃないかと心配になります。これは閃輝暗点(せんきあんてん)といって、よくある症状です。

 

眼球は何も問題はありません。閃輝暗点が起こる原因は、頭の脳の物を見る中枢といわれる部分の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するためと考えられています。頭痛が起きるのと良く似ています。

 

ですから一般的には閃輝暗点の症状が治まってから30分から1時間で頭痛になります。いつもの状態で、閃輝暗点の後に頭痛がくるのがわかっている場合はあらかじめ内服薬などの処方を受けていればそれを服用して下さい。また、薬がない場合は冷やすことで血管の急激な拡張を抑えられて痛みが和らいだり、コーヒーなどでカフェインを摂取することで痛みが和らぐことも知られています。カフェインには、脳血管収縮作用があるので閃輝暗点後の頭痛には効果があるのです。

 

20才前後の若い方に起こる若年タイプの場合はご家族の中に同じ経験を持つ方がおられたり、発作が起こった時に片頭痛を伴なうことが多いのですが、55才前後に起こる中年タイプではそのようなことはあまり関係しません。

 

頭痛を伴わないこともありますが、頭痛を伴わない閃輝暗点は、まれに脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作など重篤な疾患のサインであることがあります。 ▽症状の持続時間が長かったり、極端に短い▽暗点がはっきりとしている▽発症の頻度が増えた―などの変化があった場合は、神経内科や脳神経外科、頭痛外来で精密検査を受けてください。